2017年5月25日木曜日

硬券をどう収納する?

私たちコレクターにとって「収納」は楽しくも頭の痛い問題です。

切手やコインは趣味の王道と呼ばれるだけあって、収納用アルバムが充実しています。大きめの文具屋さんやホームセンターでたいてい入手できます。

しかし、硬券はどうしましょう?

2017年5月21日。新橋にあった「交通書房」さんが閉店してしまいました。私はかつて、そこに通い、硬券用のアルバムを買い揃えたものです。
ポケッターとか、カレントコレクターアルバムなんて言い方をしますが、黒地に透明なフィルムが重ねられており、硬券などのサイズに仕切られているものです。AB型用、D型用、カード用などがあり、専用のバインダーもあります。




画像は、私の収納してあるコレクションの一部です。超ざっくりスマホで撮った画像ですので、背後がごちゃっとしているのとかあんまり見ないでくださいね……。
また、白地の硬券用アルバムというのもありました。少しバインダーは大きめで、台紙は紙でできています。

切符の見やすさとしては白地も悪くないなーと思いましたが、強度の面で私は主に黒地のほうを使っていました。

こうしたアルバムが何十冊とうちにあるんですけれど……、えっ、交通書房さんが無くなったらこれからどうすればいいの??

売り場が無くなっただけであり、版元はまだあるはずですので、何らかの方法で販売は継続されることと思います。事実引き継ぐ方がいらっしゃるというお話は聞いています。
または、新宿京王百貨店の切手コーナーでも扱いがありましたので、すぐに入手難になることは無いかなと思います……が……。

ちなみに、大きいサイズの軟券類は、私、テージーのアルバムに移行しています。若干お高めではありますが、よく行くホームセンターで取り扱いがあるので、入手も簡単です。



さて、そんな中、新たな「硬券収納バインダー」が登場いたしました。
先日(2017年5月20日)の秩父鉄道わくわく鉄道フェスタで初お目見えしたのですが、山口証券印刷というガチの硬券印刷場の新ブランド「Kumpel」によるアルバムです。
https://www.facebook.com/Kumpel.Stationery/

アプトの道の駅記念きっぷ用ホルダーと似た感じの、裏も透明なアクリル製で、D型用とAB型用があります。ホルダーは薄手で3つ3つの6穴。リングピッチが標準的なものかどうかはわかりません。5枚も入れたらもう一杯なんじゃないかしら、ぐらいの厚み。
A4サイズに納めてありますので、一枚にAB型なら12枚、D型なら6枚が入ります。裏面も見られるあたりがアプトのと似ています。
いくつかをセレクトして持ち歩くとか、買ったものを入れて持ち帰るとかそういう用途が提示されています。硬券で戦うときに使うデッキを入れておくんですね!(冗談です)

一冊1,500円ぐらいのビタミンカラーっぽいアルバムは可愛いです。可愛いですが、大容量の収納をしたい、というには不向きです。

それでも、版元である山口証券印刷さんが本気を出してきた、ということに私は歓迎の意を表します。ユーザーの意見が届けばどんどん改良してくるでしょうし、何より版元が出すということには意味があります。

私はかつて「メダリーフ」について収集をためらっていました。が、ディズニーランドに行けばアルバムが売ってるよ! ということを知ってから加速して集めるようになりました。
マンホールカードも版元が専用アルバムを出すらしい、というお話は聞いています。収納グッズがあるということは、集め方の例示でもあるんです。そういうちょっとしたことで売り上げは変わってくるんじゃないかと思います。

これからの硬券収納グッズ業界を注目して行きましょう。

2017年5月19日金曜日

まだまだカードの波におぼれてます

公共配布カードについて昨年溺れてたお話は書きました。
http://sampoya.blogspot.jp/2016/12/2016.html
その後も新しく次から次へと出て来るカードに楽しく翻弄されています。

いくつか地味だけどよい取り組みもありますので、私の目の届いた範囲からまとめます。

◆水の恵みカード

http://www.maff.go.jp/j/nousin/mizu/kurasi_agwater/mizunomegumi/

農林水産省が主導で、2016年の夏から配布が開始されています。もう既に一部配布終了がありますので、今からでは完集ができません。こういうところ、改善していただきたいと思うのですが。
水の恵みによって育てられる作物がテーマで、カード感よりもパンフレット感が近いかもしれません。A6ぐらいのレシピカードとかそういうイメージ。
北は北海道、南は沖縄の宮古島。中には喜界島とか沖永良部島とかあって、ハードルはかなり高めです。
何よりやっぱり配布終了がなー。

◆名水百選カード

http://www.env.go.jp/water/meisui/card/index.html

長崎県の諫早市にマンホールカードをいただきに行ったときに見つけたものです。調べてみますとこちらは環境省が主導のようで。100選ですが、現在のところ48箇所にて配布しています。
主に役所の窓口で配布していますので、ほぼ平日のみ。北海道から鹿児島まで。全国の散らばり具合のバランスは良いです。

◆鉄カード

https://www.facebook.com/ZENKOKUTETSUKA/

ついに登場したローカル鉄道をテーマにしたカードです。カードのデザインや配布しているローカル線のセレクトは良いのですが、大抵がイベントにて○○円以上ご購入の方に、という形です。グッズとしてはよくある配布方法ですが、公共配布カードとしては異例です。中には2,000円以上というところもあって、ちょーっと高くないですか? と私は思います。
ローカル鉄道の苦しい懐は理解しているつもりですので、例えば逆に一枚500円!などと決めて売ってしまうのも一つ手だとは思うのですけれど。
鉄道会社以外に、日本テレビが参戦していて、「鉄道発見伝」という番組のカードが存在しています。

◆城カード


 日本城郭協会が全国12のお城で販売を開始したカードです。公共配布とは意味合いが違いますね。単純に統一感のあるお城グッズです。これから増えるのかなとは思いますが、東日本は弘前城と松本城しか無くて、お友達に買ってきてもらった松山城しかまだ所持していません。
スペックをまとてめフォトジェニックな写真をどーんと載せるというのは、まさにこうしたカードにぴったりですので、続百名城を含めて、販売箇所が増えることを期待します。


◆かんがい施設カード

http://www.pref.gunma.jp/07/am5500021.html

そう来ましたか……。群馬県の灌漑施設を管理する土地改良区で配布をしています。全10種類。デザインはダムカードにかなり寄せています。もらいに行きますとどの職員さんも気さくで、どちらから? なんて話になります。千葉からです、と答えると驚かれるぐらいに……まだ知られていない感じが。

◆MOZU-FURU CARD

http://www.city.fujiidera.lg.jp/topics/1490591617039.html
この名称はどうなんだろうと思います。要は「古墳カード」です。着目点は良いと思います。とはいえ古墳すべてに管理所があるわけではありませんので、写真を撮って拠点に持っていくともらえるものです。
一気に59箇所はすごいなと思います。おもしろそうだとは思うのですが、まだ行けていません。いや、正確には先日仕事ですぐそばを通ったのですが、写真撮って拠点に行って、というプロセスに時間が掛かりそうだったのでパスしちゃいました。

◆砂防カード

調べてみたら、これ「砂防カード」と「砂防(SABO)カード」と別の取り組みがあるようで。岐阜県のほうの「SABOカード」はイベントのみの配布のようです。
もう一つの「砂防カード」は長野県の白馬村と小谷村。それぞれの村に来たよ!という自撮り写真を送るとセットでもらえるようです。
http://www.pref.nagano.lg.jp/himesabo/sabocard.html

◆南予の誇れる遺産カード

https://www.pref.ehime.jp/nan54141/nankenkikaku/nanyoheritage.html
どんどん狭くなっていくなあ……。こちらは南予、つまり愛媛県南部で配布されているカードです。ただ、該当の遺産と一緒の自撮りを撮らなくてはいけない(結構難しい)のと、先着100名のみ、というところから、本当に小さな取り組みなんだろうなあと思われます。カードそのもののデザインは悪くありませんので、もう少し数があってもいいんじゃないかと思います。

◆港カード

http://www.pref.niigata.lg.jp/niigata_kouwan/1356859717202.html
新潟の港を紹介するものとして個別の取り組みかなーと思っていた港カードですが、追随するところが出てきました。
別府港です。
http://www.pref.oita.jp/site/beppu17003/minatocard.html
まったく別個のものとして考えたほうがいいのかな。

◆船カード

奥只見湖の遊覧船で配布しているのは知ってた(持ってた)のですが、別の取り組みとして佐渡汽船でも配布されたみたいです。
http://www.sadokisen.com/info/?cd=288
おや、しかし記事を読むと北陸信越旅客船協会が作成したみたいで、ここに参加しているフェリーの会社は他にもあります。あるのかなあ。あったのかなあ。
http://www.tt.rim.or.jp/~ni-ships/
特に銘打ってはいませんが、伊豆大島の船などにもカード状の記念品はありました。統一感のあるデザインではないものならば他にいくらでもあるかと思います。ここはやはりダムカードのフォロワー的なものを期待しているのですが。




まだまだあるんだと思いますが、ひとまず見つけられたところまで。
毎回言ってますが、「レア感」を煽る理由って、どこにあるんだろう? って思うんです。ほら、早くしないと無くなっちゃうよ! という飢餓感を煽る方法は、新鮮なものを売り切るための手法だと私は思います。
記念品、もしくは人を呼ぶためのツールとしてカードを考えるのであれば、「潤沢にあるからどうぞごゆっくりお越し下さい」であるべきです。在庫管理の観点から、そうのんびりもやってられないのであれば、一年なら一年と期間を区切ればいいんです。
私は収集家ですが、万難を排してお金に糸目をつけずに収集できるわけではありません。時間にもお金にも限りがあります。その中で、できるだけ見たこと無いものを見て、得られるものを得たいのです。
私は比較的日本中を歩き回っているほうだと思いますが、それでも一年で40都道府県ぐらい。そこに平日のみだとか品切れだとかが絡んできたら……、無茶を言わないでよ、って思って、集めるのを止めて、そのことを忘れてしまいます。果たしてそれで配布側の目的は達成されるのでしょうか。
ダムカードに始まった公共配布カードのスタイルは、一つの発明だったと思います。手頃で、収集欲を刺激してくれて、新しいものを知ることができる。それを真似っ子するのは大いに結構ですし、我々も歓迎です。でも、そろそろ安易なものが乱立されているな、と感じるようになってきました。そろそろブームも終盤かな、とも。
私としては、ブームではなく、一つの方式として長く続くものであってほしいと願っています。いち収集家の戯言ではありますが、サンプルとして受け取っていただけたらなあと心をこめて。