2013年7月25日木曜日

印紙と証紙

ここでお話しようとしていることは、興味の無い方には、何を言ってるのかさっぱりわからん! という結論になりそうな内容ですが、きっと証紙そのものをご覧になれば、なにこれ私も集めてみたい! と思う人は少なく無いと思うんだ。
ただ、証紙はガチンコの有価証券ですので、鮮明な画像を出すわけにもいきません。ギリギリまで解像度を落としております。ご了承くださいませ。

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子供の頃、切手を集め始めたばかりのころ、切手カタログに載っていないものをもらいました。
日本郵便ではなく、日本政府と書かれており、上には「収入印紙」という文字が書いてあります。
どうやら切手と違うものだ、ということはわかったのですが、結局それが何のためにどう使われるものなのかは、随分大人になるまでわからずじまいでした。
ただ、それは切手と同じように綺麗で、切手と同じように集めたくなるものだったのです。

しかし、随分長いこと、そうした「その他の切手みたいなもの」についての情報をまとめた本などが無く、調べようにも調べ方がわからない、というまさに暗中模索。きっと法律とかちゃんと調べればわかったのでしょうけれど、そこまでの情熱も無く。なんとなく切手ストックブックの端っこに何枚かの収入印紙が入ったまま、という状態でした。

時は過ぎ、なんでも調べれば取っ掛かりぐらいはつかめるインターネット時代。私は収入印紙ではなく、別のものに心奪われていました。
「収入証紙」。「収入印紙」ととてもよく似た名前ですし、見た目も切手みたいでよく似ています。けれど、発行元が日本政府ではなく、各都道府県などであり、それぞれにデザインが違うのです。
この、デザインが違う、というところが私のハートにダイナマイトヒットでした。都道府県庁めぐりをしながら集めたらスタンプとともに楽しいコレクションができるかも!
他県の人間がたやすく買えるものなのかどうかも最初はわからずおっかなびっくりでしたが、県庁などの売店に行けばすんなり買えることもわかり、また、半分くらいは共通デザインになってしまっているということもわかりました。
1円から数万円まで額面も様々で、全部買うなんて無理です。なのでキリもよくどこにでもあるであろう100円のものを買うことに決めました。


集め始めてすぐに、どうやら東京都は収入証紙を廃止する方向で検討しているらしい、という情報は得ていたのですが、まだ先のことだろうなんて高をくくっているうちに、廃止になってしまいました。痛恨のミス。正直に言えば、廃止予定として提示されていた年度を一年読み間違えたのです。恥ずかしい。
なので、現在に至るまで、東京都の収入証紙は未収のままです。

それ以外ではあと三県ほどで終わります。鳥取県はお友達に買ってきてもらったのですが、100円券が無かったよ、とのことですので、リベンジが必要です。

さて。
冒頭に情報をまとめた本が無い、と書きましたが、現在はそうではありません。すぐに入手できるものとして、二冊の本が存在しています。

古屋厚一編「日本印紙カタログ」株式会社鳴美

と、
下邑政弥編「日本印紙類図鑑」有限会社フクオ

です。前者はカラーで、現在次の版も出ているようです。後者はモノクロですが厚さは倍ほどもあり、たばこの封緘紙まで載っています。都道府県発行の「収入証紙」については、こちらに掲載されています。
私にとって、この二冊は宝物というか、大事な本です。飽かず眺めていられます。

収入印紙についても、私がもらった赤いものにとどまらず、金額の違いだけでも数十種類もありますし、そもそも明治時代の手掘りから始まっていますので、切手の発行からわずか8ヶ月後にはもう誕生しているのです。用途に応じた種類もたくさんありますし、もう見るもの見るもの私の知らないものばかり。そしてその意匠の美しいこと。

収入証紙(そうそう、なぜか福岡県だけ「領収証紙」と言います)の話に戻りますが、共通デザインのものは46道府県中22道府県。半分近くです。これらの共通デザインを採用している道府県でも以前は独自デザインだったところもちらほらと。全部違っていたらもっとおもしろいコレクションが出来たかなと思いますが、コレクションをしている、という人が極めて少数派だと思いますので、わがままな話ですね。

ところで。「日本印紙類図鑑」によれば、都道府県発行の収入証紙にとどまらず、市町村発行の収入証紙にもオリジナルデザインを採用しているところがあるようです。どういうケースで使い分けているのかはそれぞれの市町村で違うとは思いますが、ごみ収集用などに使っているケースもあるとか。
中でも、千葉市、船橋市、横浜市のそれは非常に美しいデザインで、集めがいがあるものになっています。

この三都市については、図鑑に載っていたので買うことができましたが、図鑑でも「記載外の存在も考えられるが現在までの判明分に止める」という文言が。
他にも札幌市、成田市、徳山市などの図柄が掲載されているものの、現在のwebサイトなどで調べた限りではすでに証紙を廃止してしまっているように見えます(行って確認はしていません)。
姫路市などはつい最近証紙を廃止したようで、お知らせがwebサイトに掲載されています。どんなデザインだったのかはわかりませんが、こういう自治体は結構あるようです。

現在もある市町村発行の収入証紙について丹念に調査したらきっとおもしろいコレクション、いや、文化的資料ができあがると思うのですが、そうたやすい仕事ではなさそうです。

4 件のコメント:

  1. 徳山市は周南市になってしまったので、きっと証紙もなくなってしまったのではないかと思います。

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  2. コメントありがとうございます!
    確かに、そのとおりですね。少なくとも徳山市と入っている以上デザインの変更は必要です。周南市のサイトを見ても収入証紙についての記述がありませんので、その可能性は高いですね。

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  3. 収入印紙のデザイン等の変遷について調べています。購入する際、どちらの書籍がおすすめですか。

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    1. ごめんなさい、コメントを全然チェックしておりませんでした……。長らくおまたせしてしまい申し訳ないです。
      印紙のデザインでしたら、カラーで見られる、古屋厚一版がお薦めです。現在私が所持している四版が改訂され、第五版が出ているはずです。そちらは確認していませんが、よりよくなっているものと思われます。

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